
背景
デジタル公共財
物理的な公共財は政府が支えるのに、デジタル公共財はなぜ持続しにくいのか。
Civichatで直面したのは、公共性の高いソフトウェアを事業として誰が支え、どう維持するかという問題だった。事業として続けられなかった知見をOpenFisca Japanへ移した後、デジタル公共財を持続させる制度、資金配分、コミュニティのあり方を研究してきた。
統治性(governmentality)への関心は、制度が人の選択や行為をどのように形づくるかを見る視点である。Ethereumやcryptoは投機の対象というより、ルール、資金、参加の条件をソフトウェアとして実験できる制度空間として扱ってきた。
Quadratic Funding、DeCartography、DIG SHIBUYA、Funding the Commonsを通じ、公共的な活動へ資源を配るアルゴリズムだけでなく、その運用、コミュニティ、説明責任までを実践した。デジタル公共財は過去の活動名ではなく、現在のPlural Realityで再利用可能な公共インフラを考えるための背景でもある。
2024年のDigDAOでは18の公益プロジェクト、2025年のDIG SHIBUYAでは12のアーティスト団体を対象に、法定通貨によるQuadratic Fundingを試した。数式だけを輸入するのではなく、寄付、本人確認、マッチング、結果の説明までを実際の運用として組み立てることで、公共的な活動を支える制度を検証している。
